■違いについて
社会人になると一気に増えて身近な存在になるのが冠婚葬祭です。
結婚式や葬儀などは一社会人としてマナーを理解した上で出席しなくてはなりません。
そんな中ビジネススーツと礼服の違いについてよく分からないという方は少なくありません。
違いをよく知らない人からすれば冠婚葬祭に黒のビジネススーツを着用してはいけない理由などわからないでしょう。
しかし礼服と黒のビジネススーツは全く別物です。
その違いを理解していないと恥ずかしい失敗をしてしまうことがあるかもしれません。
礼服とビジネススーツは似て非なるものであり、ビジネススーツを礼服として着ることはありません。
もちろん法律や条例などで定められているというわけではありませんが、
社会人として恥をかかないためにも礼服とビジネススーツの違いをはっきりさせておきましょう。
【礼服とは】
礼服は葬儀、結婚式、入学式、式典など冠婚葬祭全般で着用するスーツです。
洋装の場合、スーツと言うよりもフォーマルウェアと呼ばれることが多いです。
そんな礼服にも幾つか種類があり、大きく正礼装・準礼装・略礼装(略礼服)の3つに分けられます。詳細は後述します。
【ビジネススーツとは】
ビジネススーツはその名の通りビジネスシーンにおいて着用するスーツです。
ビジネスマンの勝負服とも言われるビジネススーツは毎日着用するものです。
そのため一着ではなく数着持っているのが一般的です。
黒、紺、グレーなど様々な色があるのも特徴です。
■着用シーンについて
上述したように礼服は冠婚葬祭全般で着用するスーツです。
ビジネスシーンでは着ることができません。
ビジネスシーンで着たら非常識な人と認識されてしまいます。
また、礼服にはいろいろな種類があります。使うシーンや冠婚葬祭の格式によって、それぞれの礼服を使い分けましょう。
礼服は大きく正礼装・準礼装・略礼装(略礼服)の3つに分けられます。
最も格式が高いのが正礼服です。
正礼服には昼に着用するモーニングコートと夜に着用する燕尾服があります。
準礼装は結婚式や式典などの主流スタイルです。
昼に着用するディレクターズスーツと夜に着用するタキシードがあります。
略礼装は披露宴や二次会、格式ばっていない式典関係のスタイルです。
昼と夜兼用のブラックスーツです。
黒のビジネススーツは黒であっても礼服ではありません。
ビジネスシーンにおいて着用するのが鉄則です。
社会人になれば仕事終わりにそのまま葬儀に出席することもあるでしょう。
その場合でも会社にいるときはビジネススーツを着用、葬儀に向かう前には礼服に着替えるようにしましょう。
もちろん黒っぽいビジネススーツと黒いネクタイ、グレーのスーツなどのスタイルも厳禁です。
ビジネススーツを葬儀で着用してしまうと、他の方との違いが明確になり礼服でないことが一目で分かってしまいます。
礼服はあまり着る機会がないからと黒のビジネススーツで済ましてしまうのは社会人としてNGです。
複数点において、礼服とビジネススーツには違いがあることから他の人にすぐに見分けられてしまいます。
ビジネススーツはビジネスマンにとって毎日着用するため何着あっても良いでしょう。
しかし礼服は一着で十分です。
礼服は毎日着用するものではありません。
結婚式や入学式、式典ならば黒のビジネススーツでも問題ありませんが、葬儀に限ってはビジネススーツの着用は止めましょう。
非常識な人と認識されてしまうこともあります。
一着持っていれば、葬儀に出席しなくてはならない時にすぐに着替えて着用することができるので、
社会人になったら必ず礼服を用意するように心がけましょう。
■生地・色について
礼服と黒のビジネススーツ、このふたつの生地や色の違いについて説明したいと思います。
【生地の質】
礼服の生地には基本的に上質なウールが使われています。
ビジネススーツに比べると生地が厚手だと思ったことはありませんか。
それはビジネススーツと違い、上質なウールが使われているからです。
逆にビジネススーツは気軽に着られるよう安価なポリエステルが含まれていることが多いのです。
そのため薄手で光沢感のある素材が多いでしょう。
ビジネススーツに使われる薄手で光沢のある生地はスーツ以外に使われることはほとんどありません。
【色】
礼服と黒のビジネススーツ、どちらも確かに黒ではありますがその黒の種類は全く違います。
礼服は純粋な真っ黒です。
それに対してビジネススーツの黒は少しグレーがかかっています。
建物の中や暗い場所ではその違いがあまり分からないかもしれませんが、
外に出たり、明るい場所に出るとその差は歴然です。
さらにシルエットにも違いがあります。
礼服は一度購入すると長年に渡り着用するため、体型が変わっても着用できるようにゆったりとしたシルエットのものが多いのです。
逆にビジネススーツは細身で体にフィットしたシルエットのものが多いのが特徴です。
またビジネススーツの主流はシングルです。
しかし礼服の多くはダブルです。
ビジネススーツと礼服はきちんと見比べるとさまざまな部分に大きな違いがあります。
だからこそ葬儀に光沢感のあるビジネススーツを着て行くのはとても失礼にあたります。
お悔やみの席で光沢感のある服を着るのはマナー違反です。
礼服の場合、光沢感のあるものは決してありません。
確かに同じ黒色ではありますが、葬儀にビジネススーツを着て行くのは避けるようにしましょう。
仮に突然の不幸があり、葬儀に出席しなくてはならなくなった場合は黒のビジネススーツでも仕方のないこともあるでしょう。
しかし社会人になったと同時に、一着は礼服を購入しておくと心配ないでしょう。
■まとめ
似ているようで全く違う礼服とビジネススーツ。
礼服とビジネススーツの違いは社会人にとって一般常識とされています。
とはいえ意外にも知らない方が多いのも事実です。
特に若年層は葬儀といってもわざわざ礼服でなくとも黒のスーツで良いのではないかと考える人も多いでしょう。
一社会人として礼服とビジネススーツの違いを知り、ビジネススーツだけでなく礼服もきちんと準備しておくことをおすすめします。